作成日:2018年11月8日|カテゴリー:授業・実習
みなさまこんにちは
実習アシスタント 野口未来です
久々にスイーツ専科の授業の様子をお届けしたいと思います
メニューはザッハトルテ
このザッハトルテには伝統と歴史があるのです…
今から遡ること約186年…
1832年に開かれたウィーン会議で出されるお菓子を作るように命じられたのは、
当時見習いのフランツ・ザッハー氏(当事16歳)
「かつて誰も食べたことのないお菓子を作ってほしい」とオーダーが入ります
そこで彼が考案したのがこのザッハトルテ
翌日にはウィーン中の話題になったほど美味しかったそうです
※日本はまだ江戸時代ですね。黒船がくるおおよそ50年くらい前です
時が経ち…フランツ・ザッハーの息子がホテルをオープンします
それが有名な「ホテル ザッハー」☆
そこのカフェで提供されていたそうですよ
そのホテルは大盛況だったのですが…
三代目当主の時に財政難に陥ってしまいます
原因は1857年の世界恐慌です…
そのとき財政難を救ってくれたのが、「デメル」というケーキ屋さん
お金の補助の代わりにザッハトルテのレシピを渡したそうです
それからさらに時は流れ…
レシピ本にザッハトルテのレシピが掲載されてしまったことから
ホテルザッハー側が商標権をめぐって裁判を起こしました
最終的には、双方がザッハトルテを製作していいことになり、
ホテルザッハーの方は「オリジナル」を名乗れるようにしたことで差別化を図っているそうです
(諸説有り)
そんな歴史を感じる今回の一品…
作り方いきましょう
まずはバターチョコレートにしっかりと空気を含ませ
卵と合わせます
ここにメレンゲを加えますが・・・
ここが最大のポイント
ザッハトルテのメレンゲは冷やしてはダメ
え…
先生がメレンゲ冷やしたほうがいいっていつも言ってるのに…
という声が聞こえてきそうですが、
今回だけは特別です
チョコレート生地に冷たい卵白はNG×
チョコレートが冷えて固まって、せっかく含んだ空気が逃げてしまいます
温いメレンゲなら泡の残った生地になりますよ
型に流して焼成すると
こんなにふわふわなチョコレートスポンジが出来ました
ここに甘酸っぱいアプリコットジャムを塗り
水と砂糖とチョコレートを火にかけて溶かし
冷まして再結晶させたもの(→グラズールザッハ)を上にかければ…
出来上がり
186年前から愛される伝統的なザッハトルテ
自分たちが普段作成しているお菓子の
由来と歴史を学ぶのはとても大切
技術に負けないよう、知識もしっかり身に付けていきましょう
実習アシスタント 野口未来